第36章

大島莉理は腰に手を当て、はぁ、と息をつきながら寝室の中をせわしなく見回した。

「……おかしいな。どこ行ったの?」

部屋に戻って最初にやったのは、戸籍謄本を探すことだった。離婚をするつもりなら、あれは自分の手元に置いておくのが一番確実だ。

田中尚哉の性格なら、いざ全面戦争になったとき、戸籍謄本を握って離さない――そんな真似をしても不思議じゃない。

先手を打つ。そう決めていた。

考えは正しい。けれど結果は最悪だった。寝室をひっくり返す勢いで探しても、戸籍謄本は影も形もない。確かに、ベッドサイドのチェスト、二段目の引き出しに入れていたはずなのに。

結婚証明書と一緒に。

それが、丸ごと...

ログインして続きを読む